【レビュー】グーグルに学ぶディープラーニング 日経ビッグデータ(編)

出版社:日経BP社(2017/1/30)

2016年11月にアメリカで「GoogleHome」という家庭用AI機器を発売したグーグル社。
ちなみにAIとは人工知能のこと。

「GoogleHome」は、その人工知能を搭載した家庭のAIコンシェルジュ、いわばお助けマシンといえるもので、「OK,Google」と話しかけて起動させるユニークなものです。

テレビで「OK,Google」と話しかけるスマホアプリのCMはたくさん見ましたが、こうしたハードウェア製品も発売されていたんですね。

同社は、「AIファースト」の経営方針を打ち出すなど、人工知能を中核技術としてとらえ、会社の屋台骨になると考えているようです。

本書では、その人工知能の中に含まれる機械学習の中のディープラーニングとよばれる手法にフォーカスし、ブームの牽引役となっているグーグル社の事例を中心に、一般企業での導入事例や活用のフレームワーク、将来の展望について書かれたものです。

前半の3分の1以上は入門編となっていて、ディープラーニングの仕組みについて解説されています。
こういうジャンルでは仕方ないと思いますが、文章のトーンがビジネスライクで報告書を読んでいるようです。
かなりやさしく書かれているのですが、とはいえ、構成の順序もあってか、ディープラーニングや人工知能についての本を初めて読む人にとってはちょっと退屈かもしれません。

それから、カンタンで良いので、若干の事前知識は必要です。
この記事の最後に、ボクがこの本を読むならこれだけは最初に知っておいたほうが良いと思うものを書いておきましたので、興味があれば参考にしてください。

ディープラーニングの得意分野は大量にデータがあるような非常に複雑な問題だそうですが、その活用事例は企業の規模や業種によってさまざまです。

本書では、建設業、自動車オークション、航空会社、カード会社などの事例を紹介しています。

また、大企業だけでなく中小企業でも、どのように活用できるのかについてふれていますので、「ウチはまだ関係ないかな」と思っていても、一度読んでみることをお勧めします。
中小企業や個人事業主が活用するとなると、大手が提供するクラウド型のサービスを低料金で使用して、独自の価値を提供することになるんでしょうね。
実際に、グーグルプラットフォーム(https://www.cloud-ace.jp/gcp/)では、従量課金制でそうしたサービスが提供されています。

本書では、ディープラーニングの活用目的として、

・コスト削減
・付加価値を高めて新たなビジネス機会を創出
・クリエイティブ性の向上

を挙げています。

具体的なサービス内容や活用事例を見ることで、何らかのインスピレーションが湧いてきたらしめたものです。
大量のデータを活かす手法では、なにより、スタートは早いほうが良いでしょう。

こうした流れは、従業員側から見ると「雇用機会が減ってしまう」ととらえる節もありますが、今なら十分対策が可能です。
消費者目線で、無料サービスが増えたと喜んでるだけでは、企業のデータ収集に協力するだけになってしまいます。
いち早く勉強して技術者や橋渡し役を目指すなどしてみてはいかがでしょうか。
また、目的ありきのデータなので、その目的を考えてみるのも面白いですね。
ボクも、人口知能を使って何ができるのか、いろいろ妄想してニヤニヤしています。

【予備知識】

  • 人工知能
    AI(artificial intelligence)の略。読み方は「エーアイ」
    コンピューターを使って、学習・推論・判断など人間の知能の働きを人工的に実現したもの。本書では、「知的な情報処理をするもの、または、その技術」と書かれている
  • 機械学習
    人工知能に含まれていて、機械が自分で学ぶもの。入力された一つ一つのデータから特定のパターンを導き出して将来を予測する
  • ディープラーニング
    ニューラルネットワークを用いた機械学習のこと
  • ニューラルネットワーク
    人間の脳の神経の構造を真似たモデル(プログラムの基本構造)。情報が入ると、重要度や可能性の度合いによって出力に変化が出るノードと呼ばれる神経細胞のようなものを、沢山ならべたイメージ
  • ビッグデータ
    従来のやりかたでは処理することが難しいくらい、膨大で複雑なデータのこと
  • アルゴリズム
    問題を解くための手順。パターン
  • イノベーション
    新しい技術の発明
  • 帰納推論
    一般原理から個々を推論することを演繹(えんえき)、個々の情報から一般原理を導き出すことを帰納(きのう)という。帰納推論とは、個々の情報から一般的な原理を明らかにすることをいう
  • ニューロン
    神経を構成する細胞で、刺激を受けて興奮し、それを他の細胞に伝達する
  • シナプス
    ニューロンと他のニューロンをつないでいるところ
  • 乱数
    0から9までの数字を、同じ確率でランダムに現れるように配列したもの


読後の本のゆくえ

売りました。

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